****手術の日になりました。****


Rを車に乗せると、震えています。不安なのでしょう。昨日、病院であれこれ検査をされたので、またあそこに行くのかとわかっているのでしょう。


いよいよ尻尾が無くなる…。何も知らないR。


受付でRを預けます。医師が「日帰りもできますが、術後が心配なら入院した方が安心かもしれないですね。どうされますか?」と聞いてきました。

麻酔するのも負担ですし、術後無事目が覚めるまでは確かに心配です。何か急変もあるかもしれません。なので、その日は病院に置いて、一晩看てもらうことにしました。


Rを預けてから、仕事に行きました。いつもと同じ様に過ごさないといてもたってもいられない気がしたのです。


Rが我が家に来てから、夜家にいない事はこの時が初めてでした。まるで人間の子どもと同じです。

子どもをどこかに預けた親の気持ち。

何もわからないRは、きっと恐怖を味わう一日になる事でしょう。


知らない男性に注射を打たれ、目が覚めると、痛みが襲い、尻尾も無い。しかもそこは知らない狭い部屋に閉じ込められているのですから。

私に捨てられたと思うかもしれません。


仕事をしながらも、ふっとそんな事を考えてしまい、涙を抑えるのに必死でした。


夕方、病院から電話がありました。

「手術は無事に終わりました。Rちゃんは、さっき目が覚めました。元気です。尿の色が気になったので、腎臓の検査もしておきますね。」と言われます。

また追加の検査…。今まで病院にかかった事が無かったので、この際、全部調べてもらうのは良いのですが、費用がどんどん上がっていくのが不安になりました。
(この検査の結果は異状なしでした。)

明日朝、迎えに行く前に、支払い金額を連絡しますとの事でした。

結局、腫瘍切除、尻尾切断、去勢手術、予防接種、腫瘍病理検査、歯石取り、手術前の検査もろもろ、
血液検査、尿検査
などを一度にした事になりました。


歯については、10歳なので、抜いたほうがいいものは抜きますと言われていました。

でも、一本も抜かれておらず、Rは最期まで歯はしっかりとしていました。真っ白になった歯を見てこれはやってもらってよかったと思ったのです。