Rの容体が悪化してきた事を再確認した出来事がいくつかあります。

一つは、来客時です。


Rは、普段はおとなしく、人に良く懐いた犬でした。でも、初めて会った人、特に宅配便や工事の人に対しては用心深い態度をとりました。番犬としてしっかり守らないと!と思っているかの様に。


電気工事の人が、来られる時などは、迷惑にならないように、ハウスに入れたり、別の部屋にRを入れていました。

朝、なかなか起きなくなったR。工事の人が来た時、どうするかなと思っていました。ついこの前までは気配を感じると起き上がり、走って玄関に行き、吠えていました。

この時は、全く目も開けず、寝ていました。音が聞こえないのか、反応する元気も無かった様でした。

近くに行くと、ゆっくり寝息を立てて寝ています。

すぐそばで、知らない人の声、工事の音がしているのに反応しないなんて…。


そこまで弱ったのかと悲しくなりました。


もう一つは、トイレです。


部屋でしていいんだよと声をかけますが、Rはどうしても外でしたいと出たがります。


自分では外に降りる力も無く、じっと座り込むR.

抱っこして外に降ろします。するとよろよろと2~3歩歩いた後、その場に座り込み、大量の尿と便を出しました。R自身はまるで「どうして僕はこんなになったのだろう。情けないよ。」と思っているかのようでした。


いつもなら、さっさと部屋に上がろうと小走りに上がり口に来ます。

そして前足でガリガリとガラス戸をこすり、上がるよと合図をします。


戸をあけるとチョコンと上がり、足を拭いてもらうまで足ふきマットの上にいます。


でも、この日は、もう上がり口までも歩く力も、その場を立ち上がる力も無かったのです。


尿と便で汚れても動けないRは、悲しそうに見えました。

「いいんだよ。大丈夫だよ。身体を洗おうね。」と声をかけながら、そっと抱き上げシャワーをしてあげました。痩せ細った身体が痛々しく、悲しさが襲いましたが堪えました。Rに伝わらないように。


その時が、最後のトイレとなりました。
そして、便が出たのもそれが最後でした。大量に出たのは最期が近づいていたからと思います。
その日以降、一気に衰弱していきました。

もう自力でトイレに行けなくなったRは、この日からおむつになりました。

動く事もなく、ただ寝ているだけ。


尿がでる時は、ムズムズと動くのでその都度オムツを変えます。


何か食べてもらおうと、栄養分の入った犬用のドリンクや、柔らかくした牛肉など、口元に持っていくと無意識にも食べてくれます。水分は、病院でもらった注射器を使います。

口にそーっと入れてやるとごくごく飲みます。


ある日、目を気にするそぶりをした後、目があいたままになってしまいました。


ドライアイになってしまうので、犬の目薬をしたり、薄い布を目元にかけたりしましたが、脱水状態なのか、顔までしぼんだようになってきました。


そうして、鼻からズルズルと体液がでてくるように。


その臭いが強く、もう身体はダメになっているのが感じられました。


おもちゃですが、聴診器を毎日あて、Rの心臓の音を聞いていました。おもちゃでもいいので、聴診器はあると便利です。


身体はぼろぼろであろうのに、心臓の鼓動はしっかりしています。呼吸も穏やかです。

苦しそうにしていない事が、救いでした。R自身は苦しかったのでしょうが、見た目は全く穏やかでした。