Rがリンパ管拡張症だと診断された時、「下痢が続くからと普通の下痢の治療をしたらダメなんですよ。逆効果になります。」と言われました。
無理に腹水を抜くのもだめだとの事。
腹水には栄養が入っていて、抜いてしまうと弱ってしまう事があるそうです。
むやみに処置をしないのはそういう事もあっての事でしょう。色々やれるだけは手をうってほしいという飼い主には、何もしてくれない無責任な医師に思えるかもしれない。
私には、合っていた。Rにも合っていたと思います。手術をした医師よりは。
実は、Rの血液検査の結果は、最悪でした。
3回目に通院した時、「肝臓にも腫瘍があるみたいですね。残念ですが…覚悟した方がいいでしょう。」と言われたのです。
腹水が溜まる事自体が、そういう事…。
もう完治する事もないだろうし、老犬で、治療がストレスになるなら、このまま薬で、苦しまない様に、一日でも長く安らかに過ごせる様にしてあげましょうと医師と話して決めました。
涙が止まらず、Rを抱きしめて泣くしかなかったのです。
おそらく、手術をしたあの医師なら、Rを奥の検査室に連れて行き、あれこれ検査をし、また手術を勧めたかもしれません。
Rの安らかな最期の迎え方に対する私の考えに寄り添ってくれた医師に感謝をしました。
そして、本当に覚悟を決めるほどの病気なのかな?と思う位、Rは一時的に元気になりました。
最初に病院に行ってから3か月間は、すっかり回復したかの様でした。
脂肪分の少ないササミと野菜などを煮込んだご飯を中心に作り、1日でも長く楽しく生きて欲しいと祈る日々。
Rのご飯を作る時、台所に来て私の横にちょこんとすわり、ご飯を待っているR。
食べる事に意欲が出てきた事が一番嬉しかったのです。
が、それもある日突然に変化してしまいます。
Rがぐったりして横になったまま動かなくなったのです。
意識はしっかりしており、呼吸も普通。苦しそうでもなく、目も穏やか。苦しい時は、目が悲し気になり、おびえるのでわかります。
この時は、苦しいというより、身体がだるくて動けないのではと思いました。
何かおかしい、病気が悪化したにしては急すぎるし、他に原因があるのではないかと感じました。
それまで気にかかっていた事が一つありました。薬です。
心臓は元気なのに、なぜ心臓の薬を飲ませるのだろうという事。
おそらく、もう長く生きられないので、心臓も弱ってくるはずだから、少しでも動かそうという事でしょうが、最近の元気さは、薬の効果ではなく、R自身の元々の心臓の強さで元気なのではないか?
ならば、まだこの薬は必要ないし、むしろ負担になっているのではないかと気が付きました。あくまで私の思いであり、正しいかどうかはわかりません。
病院では、薬を減らしていました。ステロイドもやめて、心臓と、すぐに溜まってくる腹水を出しやすくする薬?だけになっていました。
なので、むやみに薬を沢山飲ませている訳ではなかったのですが。
ここで、薬を飲ませるのをやめてみました。
すると、3日後には、Rは復活したのです。やはり、薬が負担だったのだろうと自己判断ですが納得しました。
でている薬は、病気の治療薬ではありません。飲ませなくても、病気は進行するのです。
Rが苦しむ事だけは少しでも避けたいと思っての判断でした。