10歳の時に肛門周囲腺腫になったRは、手術によって元気になりました。


薄くなっていた毛はふさふさになり、見た目も可愛らしくなりました。


肝臓は薬をしばらく飲ませれば良いだろうというレベルだった様で、特に他には何も異常は無く、これで元気に長生きしてくれるよね、と家族皆が喜んでいました。


大切な尻尾を失い、大変な負担のかかる手術をしたのですから、元気になってもらわないと困ります。


お尻の傷は心配していたよりもすぐに治り、手術の為に毛を剃られていた部分も毛がはえてきました。


ただ尻尾が無くなり、見た目に違和感がありました。


R自身は、おしっこをする時、片足をあげなくなり、しゃがんでする様になりました。尻尾が無いので、バランスが取れなくなったのでしょう。


言葉が話せたら、Rの気持ちを聴いてみたかったです。おそらく尻尾が無くなってとても動きにくくなったと、愚痴っていたんじゃないかな。

ご飯も良く食べる様になり、ころころと太ってきました。あまり太らせてはいけないねと言いながら肥満には気を付ける様にしていました。


Rの誕生日は秋でした。12歳の誕生日を迎えた後、寒い冬が来ました。


それまで、夜はトイレに起きる事の無いRが、深夜にトイレに行くようになりました。


室内トイレもありますが、Rは庭でトイレをする習慣がありました。


眠くて、しかも布団からでたくない寒い時に、外に出してくれとRが戸をカリカリする音で目が覚めます。そそうをされたくないので、仕方なく起きて外に出します。

我慢できないって感じで慌てて外に出るのですが、おしっこはほんの少ししか出ず、すぐに部屋にあがってきます。また寝るのですが、しばらくするとまた同じ事の繰り返し。

便もそうです。下痢状の物が少しでるだけで、何回もトイレにいくのです。



何かがおかしいと思いました。太ってきたと思っていましたが、よくお腹を見ると実は腹水ではないかと感じたのです。