******病院探し******

口コミで、いくつか良さそうな病院はわかったのですが、これは飼い主と獣医師の相性や信頼関係、そして病院にかかった時のタイミング的な事もあって、どこも似た様な評判で、迷ってしまいます。


その中でも、一番評判の良い獣医師の所へ、とりあえず家族が相談だけして帰ってきました。

残念な事にそこは、手術はしない小さな病院でした。

そのかわり、[腫瘍の手術の実績が多い]という病院を紹介して貰う事になったのです。

突然受診するよりも、獣医師の紹介の方が安心ですし、何より実績がある事を信頼し、紹介された病院に行く事に決めたのです。


ラッキーな事に自宅から近い所にありました。

******病院での様子*******

Rも私も初めて訪ねる病院、2人とも緊張していました。


受付で、●●先生から紹介された事とRの状況について話すと、アンケートを詳しく書かされました。


獣医師は、ちょっと恐そうな感じはしました。もっと笑顔で接してもらえたらなと感じました。

すぐに検査です。10歳という高齢でもあり、手術に耐えうるかどうか、健康状態、心臓の検査などをされました。


Rを診察室に連れていかれ、私には受付で待つ様にと言われました。Rが不安で震えているので心配と共に、申し訳ない気持ちになりました。


暫くすると、中に呼ばれ、腫瘍以外は特に問題ないとの事。

見積もりを見せられ、これでよければ明日手術をしますと言われました。

最初は10万円位だと聞いていました。

ただ、狂犬病以外はあえてしていなかった予防接種を「6種、うっときます、去勢手術もします、麻酔のきいている間に歯のクリーニングもします、腫瘍は悪性かどうか検査にだします。」と一度に言われ、戸惑いました。
手術後も更に検査をされ、金額が増えていき、支払う時には20万円近くになっていました。


そして「腫瘍をとるには、尻尾を切り取らないといけませんね」と衝撃的なことを、言われてしまったのです。


医師は、無表情で有無を言わせない怖そうな人。


全部言う通りにしないと、手術ができないのなら仕方ないかと思いました。でも、尻尾の事は、そう簡単には承諾できるはずがありません。


腫瘍は尻尾にできているのではありません。肛門の上、腰の部分です。


なのになぜ?と聞きました。すると

「手術の後に、傷口を縫うのですが、尻尾を動かすと傷口が開いてしまうのです。肛門の近くですし、余計に直りが遅くなる可能性があります。」と言われます。それでも、黙って悩む私を見て

「尻尾なんか無くてもどうって事ありませんよ!生まれてすぐに尻尾を切る習慣もある位ですから。尻尾の無い犬なんていくらでもいますよ!」
と笑いながら軽いノリで説得し始めたのです。


私は、後から後悔しました。セカンドオピニオンにいけばよかったと。


どこで聞いても同じ事を言われたら、諦めがついたでしょう。でも、この医師のいう事はどう考えても間違っています。

「尻尾なんか無くたってどうってことない」という言葉です。


(あなたは、犬になった事があるのですか?Rにとって、尻尾とは、色んな感情を表し、生きていく上でどれだけ大事な存在だったか、10年間尻尾のある生活を生きてきた犬にとって、突然それが無くなるという事はどんなに重大な事か、誰でも想像できるはずです。人間にとって、手足を失うに等しいと思います。)


と言い返したい気持ちです。当時はそんな余裕も勇気もありませんでした。


でも、その時の私は、確かに傷口が広がる可能性は納得はできました。


それしか方法が無いのなら、と了解してしまいました。

「できるだけ、残す方向でやりますよ。最終的には手術の時に判断します。」
そして「もう少し、早く連れてきてくれたら、尻尾は残せたはずですよ」と医師は最後に言いました。

そうなのです、悪いのは飼い主です。もっと早くに気が付くべきだったのです。

その日はRを連れて帰り、夜はRにごめんね、ごめんねと謝りながら泣いて、何もわかっていないRを抱きしめていました。